dtn.jpドメインを取得したのが2002年8月27日だったので、今年で丸19年がたち、遂に20年目の独自ドメインとなりました。
独自ドメインを取得して長期で個人サイトを運営するメリット・デメリットについては、昨年19年目を迎えた時の記事でも少し書きましたが、せっかくの20年目でしたので、今一度、個人サイト・ブログを運営するにあたって、独自ドメインを取得するとどんなメリット、デメリットがあるのか、といったところをまとめてみようと思いました。
「ドメイン取得 個人」で調べてみても、ドメインを取得して~サーバを借りて~WordPressをインストールして~といった感じの設定方法を説明する記事ばかりが目立ちましたので、個人事業主でもない単なる個人が独自ドメインを取得して長期間サイトをやってみると、どんなメリット・デメリットがあるのかを実体験を元にご紹介したいと思います。
単なる個人的利用目的だけど、とりあえずドメインでも取ってみようかな~?といったことをお考えの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
そもそもドメインとは何か
この記事にたどり着いた方には恐らく説明不要と思いますが、ドメイン名とは何かについて簡単に確認しておきたいと思います。ご存じの方はdtn.jp取得の経緯のあたりまで読み飛ばして下さい。
私のドメイン取得経緯も興味ないという方は、この記事の本題となる個人でドメイン取得をするメリット・デメリットまで一気にお進み下さい。
IPアドレスネットワーク
ネットワーク上にある機器には識別用に固有の数値がそれぞれ割り振られており、その数値を辿ることで遠くの機器と通信することができるようになっています。インターネットもそんなネットワークの一つです。
インターネットを含む多くのコンピュータネットワークで、現在標準的に利用されているプロトコル(お約束のようなもの)がIPで、このIPネットワーク上で個々の通信機器を識別するために振られた番号がIPアドレスといわれるものになります。「グローバルIPアドレス」「プライベートIPアドレス」や、「IPv4」「IPv6」といった細かな違いはあるものの、下記のような数値であらわされています。
133.79.24.68
2001:0db8:1234:5678:90ab:cdef:0000:0000
124.68.19.12
192.168.1.2
分かりやすいところでいうと、皆さんおなじみのYahoo JapanもグローバルIP「182.22.59.229」という番号が振られていますが、さすがにこの番号を覚えられる人はそういないと思いますし、私のように会社のTEL代表番号すら忘れつつある人間には到底できません。
DNSとドメイン名
そこで、人間が覚えやすいような文字列(yahoo.co.jpといった文字列)でこの番号を表したものがドメイン名でした。DNSという仕組みにより、IPアドレスとドメイン名を裏で紐付けすることにより、サーバ所在地を覚えやすい文字列に置き換えてくれているわけです。有難い仕組みですね。
TLD(トップレベルドメイン)とは
ドメイン名のうち、【.(ドット)】の右側部分にある文字列をトップレベルドメインといい、皆さんおなじみの「.com」「.net」や「.jp」「.us」などがあり、このトップレベルドメインのそれぞれには意味や特徴があります。トップレベルドメインの特徴については「ドメイン名の種類」あたりを参照してもらうとわかりやすいと思います。
個人で取得可能なドメイン
ドメインには意味や特徴があるため、ドメインによっては法人や指定団体でないと取得ができないものもあります。このため、個人利用向けにドメインを取得する場合には、個人利用可能なドメインから選択する必要があります。
ドメイン | 特徴 |
---|---|
.com | 世界最多の企業や商用サービスを表すドメイン |
.net | ネットワークサービス提供者を表すドメイン |
.jp | 私も使っている、信頼の国産ドメイン |
.info | 情報の提供者を表すドメイン |
.site | 色々な「サイト」に使えるドメイン |
.tokyo | 日本の首都・東京を表すドメイン |
.me | 自己表現するにはピッタリのドメイン |
.blog | ブロガーにおすすめのドメイン |
ドメインが何なのかは十分に理解できたと思いますので、ここからは私がドメイン取得をなぜ考えたか、色々あるドメインからどうして「dtn.jp」というものを選んだのか、そして、長年使ってことによる得られたメリット、デメリットについて考えてみようと思います。
dtn.jpドメイン取得の経緯
私が独自ドメインを取得しようと思ったきっかけ
2000年の初め頃、プロバイダ契約のオマケについていたWEBスペースでサイト(当時はまだホームページと言ってた時代だったと思います)を作っていた頃に、知人がとあるアフィリエイトASPに転職をすることとなりました。
それがきっかけで、アフィリエイトという存在を知り、自分のホームページにアフィリエイト広告を試しに貼ってみたところ、サイト内容と相まって結構な売上が初月で立ってしまったことがありました。
当時はまだアフィリエイトなんて単語を検索しても何の情報もない時代だったので、サイト上のリンクをアフィリエイトコードに変えたリンク集といっただけでしたが、いきなり日に数万円の成果が発生するといった事態となってしまい、ビックリしたことを今でも覚えています。
その後、事業化とかを考えていたわけではなかったものの、せっかくなので独自ドメインとレンタルサーバーを契約して、自分のホームページと分けてやってみるかと思ったことが独自ドメイン取得のきっかけでした。
単にあぶく銭ができたので、思いつきで契約してみようと考えたことがスタートという、なんともお恥ずかしい感じのはじまりでした。
3文字ドメインにしたい
ドメイン名を考えるとき、法人や個人事業主やフリーランスであれば、その法人名や屋号を元にドメイン名を考えると思います。もしくは、まだ開業届をしていないものの、既に何らかのサイトやブログをやっているのであれば、そのサイトやブログ名を元にドメイン名を考えるとは思います。
が、そんな土台もない単なる個人が、ふとドメインを取得しようと思いついてしまった場合には、このタイミングで結構頭を悩ますことになると思います。特に、私のように何の構想もなく、独自ドメイン&レンタルサーバをまずは契約しようと思いついてしまった場合には、サイトをぱっと見で表現することになるドメインを考えるため、サイトコンセプトやコンテンツ、サイト名といったあたりを考えようと、Xmindにあれこれ書き込みつつ、あーでもないこーでもないときっと色々考えるんだろうと思います。
とはいえ、あぶく銭が多少手に入ったので、独自ドメインとレンタルサーバでも借りてみるかと思いついた私です。そんなカッコいいことは全くやっていませんでした。
では、何を基準にドメイン名を考えたかというと、3文字ドメイン名にしたいというところでした。「〇〇〇.com」「〇〇〇.jp」といった感じのドメインですね。
今になって思うと、本業の関係で「ibm.com」「nec.com」「ntt.com」といった老舗IT系サイトばかりを見て日々過ごしていたこともあって、3文字ドメイン=カッコイイとか当時思い込んでしまっており、ドメイン取るなら3文字ドメイン以外はあり得ない!!ぐらいの感じでいたと思います。
今であれば「zozo.jp」「shopify.jp」「tiktok.com」とかのドメインを見て、あんな響きがいいとかから考えるのかもしれませんが、2002年当時はまだ 「zozo.jp」 もありませんでしたので、自分でカッコイイと思っていた3文字ドメイン探しを必死にやっておりました。
トップレベルドメイン「.jp」を選んだ経緯
2002年頃では、個人で取得可能なドメインがそこまで多く存在しておらず、「.com」「.net」を取得する方がまだ一般的だった気がします。
「.jp」ドメインでは、属性型ドメインの「co.jp」「ac.jp」は一般的になっていたものの、私が取得した「dtn.jp」のような汎用型「.jp」ドメイン(.coや.adがつかない.jp)は登場してまだ1年くらいで、そこまで人気・知名度もなかった頃だった気がします。
そんな時代に、なぜ汎用型「.jp」で取得したかといいますと、先ほど説明をした3文字ドメインを探していた際、たまたまJPRSが提供していた短い空きドメインをリスト化したページがヒットしてしまい、その結果として「.jp」を選ぶことになったというだけの話でした。
「dtn.jp」ドメインを取得した2002年当時でも、既に3文字ドメインの空きはあまり残っておらず、「dtn」という3文字を見つけてピーンときたこともあり、即申込をしていた記憶があります。
dtnという3文字を選んだ理由
「dtn」はどんな意味で付けたかというと、当時ポータルサイト型のディレクトリ型検索エンジンを作ることが流行っていたこともあり、いずれは私も自作のディレクトリを作ってみるぞと思っていたため、3文字ドメインの頭に「Directory」の「d」がつくもの~といった感じで探していました。
「d」で始まって、「dt1」「d1t」のように「0~9」の数字が混じらないものは何かないかと探していたところ、たまたま「dtn」が空いているのを見つけて、自分の名前イニシャルとかも入っていたこともあって、即確保したという感じだったと思います。
個人サイトのドメイン名で気を付ける点
私の場合は「3文字ドメイン」という一点でドメイン名を探して、いいなと思ったものをパッと申し込みしておりましたが、それから20年先にもこのドメインを保有するといったことは当時想像すらしていなかったので、今思えば、もう少し考えてドメイン名を取っておけば良かったのかな?とは思ったりします。
個人的利用でドメイン取得をお考えの方で、まだドメインの文字列を何にするか悩んでいる方がいらっしゃいましたら、10年~20年先にもドメインを保有する自分の姿を一瞬でも想像するのは良いかもしれません。
というのも、今作ろうと思い描いているサイトやブログを、10年先にも同じコンセプト・サイト名でやっているかも分からないでしょうし、数年先に全く違うコンセプトのサイトに変えることも個人サイトであれば十分あり得ると思います。
そう考えると、申し込みしようとしている今イメージしているサイト概要・サイト名からドメインを考えるよりは、先に全く違うコンセプトの違うサイト名に変えた時にも、潰しが効くようなドメイン名にして選ぶ方がいいかもしれません。
だったら、絶対に変わらないものの方がいいだろうからといって、自分の名前でドメイン名を取得しても、オッサン・オバチャンになったらさすがに使いずらいでしょうし、若気の至りで恥ずかしいドメインを取得してしまって20年先にもそれを使うとなった場合にも、それはそれで厳しいものがあると思います。
ドメイン取得に盛り上がった瞬間は長期利用するなんてことを全く考えないと思いますが、せっかくネットの世界に持つ住所ですので、長期保有することを少しは考えることをおすすめします。
そう考えていくと、パッと見でもよく意味がわからない3文字ドメインで取得していたこと、トップレベルドメインの中でも「.jp」の評価が意外と高くなったことなどは、本当にラッキーだったんだと今でも思います。
独自ドメインのメリット・デメリット
あまり参考にならない私の独自ドメイン取得の経緯をみて、多少ドメイン取得のイメージがわいてきたと思いますので、ここからが本題の、個人サイト・ブログを独自ドメインで運営してみて、良かったこと悪かったことを順に事例で挙げてみたいと思います。
良かったこと・メリット
独自ドメイン取得によって得られたメリットをご紹介したいと思います。
サーバ移転をしても影響が少なかった
この運営ブログでも何度かサーバ移転についてお知らせしていましたが、「dtn.jp」はけっこうな頻度でレンタルサーバの引っ越しをやってきました。
というのも、2000年はじめ頃には、SEO対策≒被リンク稼ぎという時代がありまして、「ディレクトリ型検索エンジン」がブームになった時代が存在しました。
その時代はdtn.jpにも結構なアクセスが日々発生してしまっていたため、VPSサーバがプロセス数で落ちるといったことが頻繁に発生しており、少しでも良いプランがあると、すぐにプラン変更をするといったことをよくやっておりました。しかも、プラン変更だけでなく、ラピッドサイト→さくらサーバへのホスティング会社を超えたサーバ移転までやったりしています。
もし、私が独自ドメインを持たずにサーバドメインでサイトをやっていた場合には、「dtn111.rsjp.net」みたいなサーバドメインとなっていたでしょうから、プラン変更する度に 「dtn111.rsjp.net」 → 「dtn222.rsjp.net」といった形でサイトURLが都度変化していたと思います。しかも、ホスティング会社を変えてしまった場合には、「dtn111.sakura.ne.jp」といった形で、トップレベルドメインすら変わっていたはずです。
Googleをはじめとした検索エンジン側では常に新規ドメイン扱いとなっていたでしょうから、301転送をいくらしっかりやっていたとしても、今のような検索評価を得ることはなかったと思います。
同じ会社の同じプランで先々ずっとやれないと思うのであれば、独自ドメインで自分のサイト・ブログをやるというのは必須といえるのかもしれません。結局のところ、これが一番のメリットといえるのかもしれませんね。
無料サービスの場合は最悪コンテンツが消滅
上記に関連した話ですが、無料でホームページやブログを作成できるサービスも結構ありますが、その無料サービス自体が終了してしまうと当然ながらサイトも強制終了となってしまったりします。もちろん、他の無料サービスに載せ替えといったことをやれば問題ないでしょうが、張ってもらった外部リンクを全て張りなおして下さいとお願いすることは実質不可能と思います。
数年前、Yahooが無料ホームページサービス「yahoo geocities(ジオシティーズ)」をあっさりサービス終了するといったことがありましたが、そんな場合には、別のブログサイトへ301転送をしっかりやっていたとしても、転送元が死んでしまってはどうしようもありません。
そう考えると、今の時代に個人がネットで完全無料で情報発信をやるのであれば、サイトやブログといった形でやっていくよりも、TwitterやFacebookやtiktokやYouTubeといったもので、がっつりフォロワーさんを囲いつつやっていく方が賢いのかもしれません。
サイトやブログなんかよりも、自分自身の方に価値を付けてやっていくという感じですね。お金もかからないので良さそうです。とはいえ、プライベートとはっきり分けたい私のような人間には厳しい感じですが。
サイトの信用が増した
サイトに独自ドメインによる「信用」が付いていたことで、かなりの恩恵を受けていたと思います。
ドメイン取得後にすぐYahoo Japanのパロディサイトを作り始めたのですが、その中身はディレクトリ型検索エンジンという、いわゆる登録式のリンク集でした。このため、まずは皆さんにサイト情報(URLやサイト説明文)やサイトオーナー情報(運営者名やメールアドレス)を入力してもらわないとサイトとして全く成り立たないものでした。
当時はYahoo Japanのようなポータルサイト型ディレクトリ型検索エンジンを作るのが流行ってた時期でしたので、Yahoo Japanのデザインパクリサイトであっても、よくできたサイトであれば、YahooのパロディサイトとしてYahooカテゴリにも登録されたりしていました。
サイトデザインをどれだけYahoo Japanに似せたそれっぽいサイトで作ったとしても、URLがプロバイダ契約にオマケの個人ホームページスペースでは、メアドなどの個人情報を登録したいとはなかなか思わないと思います。
dtn.jpではこれまでに3万件以上の登録申請を皆さんからいただきましたが、独自ドメインによる信用というものも効果があったんだろうとは思います。
もちろん、阿部 寛さんのような知名度があれば、このような(http://abehiroshi.la.coocan.jp/)URLでも全然OKでしょうが、無名の個人がサイトを作って何かしらの情報登録を促そうとする場合には、独自ドメインが最低限必要でしょう。
相互リンクが張ってもらいやすい
Googleが「過剰なリンク交換、または相互リンクのみを目的としてパートナーページを作成すること。」をペナルティにするとハッキリ言ってしまう時代になってしまいましたが、2000年のはじめ頃は、 SEO対策≒被リンク稼ぎといった状態でしたので、サイトをやっていると「相互リンクをお願いします」といった相互リンク依頼メールが頻繁に届いたものでした。
そんな相互リンク依頼を受けた時、URLがプロバイダ契約にオマケの個人ホームページスペースURLや共用サーバードメインのままだった場合には、やはりリンクを張るのをためらっていた気がします。
というのも、 プロバイダの個人ホームページスペースURLとかだと、あっという間にサイト終了となるパターンが結構ありまして、相互リンク集に手でURLを張ったり消したりするメンテのことを考えると、最低でも年契約をする独自ドメインの方を優先して張っていたと思います。
WordPressなどのCMSで、リンクを張ったり消したりが容易にできるようになっていればそこまで考えなかったでしょうが、当時はバリバリ手作業していましたので、そのあたりでもメリットがあったのかと思います。
メールの文章がかしこまる
dtn.jpではお問い合わせフォームを設置してあり、何かしらの連絡や広告掲載などのメールを今も受けたりしています。
お問い合わせフォームの送信確認メールや管理人からの連絡にも「@dtn.jp」の独自ドメインアドレスを使って送信するため、連絡をして下さった方には、法人運営サイトと勘違いしている方も多いのか、その後のメールやり取りをかなりかしこまった文章でやり取りしていただけることも多いです。
「貴社のディレクトリ型検索エンジンに関して…」といった感じでメールをもらったりすると、WEB担当者にでもなったような気持ちが味わえたりもします。これがメリットといえるかは微妙ですが。
ドメインオーソリティ
ドメイン自体の価値については何度か記事でご紹介してきましたが、ドメインを長期保有してサイトをやっていると、SEO的なメリットが多くなるといったことはあるような気がします。
単純にドメイン歴が長いと熟成したワインのように価値がでるということではなく、長くやっていれば必然的に外部リンクが増えるからといった事情かと思いますが、DNSにもCreationDateといった日付が存在しますので、日付が古いと価値があるといったことも多少はあるのかもしれません。
ちなみに、Googleの検索アルゴリズムでどれだけメリットを得られているかは分かりませんが、ドメインオーソリティ(ドメインパワー)をランキングにしたサイトというものが世の中にはありまして、当サイトはランキング上位に常に位置することができているので、結構なアクセスを毎日送ってもらえるといったメリットもありました。
ドメインパワーのランキングについては下記記事をご参照ください。
資産価値が生じる
先ほどご紹介したドメイン価値・ドメインオーソリティの話に通じるところがありますが、中古ドメインの市場というものが世の中にはありまして、長期で運営したドメインを売却するといったこともできます。
先ほどご紹介した、ドメインパワーをランキングで紹介するサイト「アクセスSEO対策ツールズ」さんではドメイン価値をチェックすることができまして、「dtn.jp」を調べてみたところ11万円の価値があるとのことでした。
ちなみに、大手コンビニの「サークルKサンクス」が、ファミマ買収に伴って不要になったドメイン「circleksunkus.jp」を売却してしまったらしいですが、嘘かホントかオークションで6,000万円の値段がついたとのことでした。夢のような金額ですが、ドメインによってはそんな価値がでることがあるということのようです。
サイト運営のモチベーションアップ
これはドメインを取得してみないと実感できないかもしれませんが、独自ドメインを付けたサイトを運営していると、サイトに対してかなり愛着がわいてくると思います。
私のように個人利用でちょっと独自ドメインを取ってやってみるかといったパターンであれば、なんとなく、ペットの猫ちゃんに名前を付けるみたいな感覚に近かいのかもしれません。
とはいえ、遊びに行っても仕事をしてても、常に頭の片隅にはドメイン&サイトのことが引っかかるようになるため、少しでもメンテやっとくか、少しでも記事を書いてみるか、といったモチベーションアップには確実に効果があったと思います。何事もあきっぽくて長続きしない3日坊主の私のような人間には大きなメリットといえます。
ただし、20年くらい独自ドメインでサイトをやっていると、ペットの猫ちゃんの感覚どころか、家族の一員感覚になってきてしまい、ドメインがあるという状態が当たり前になったりします。このため、サイトに障害が発生しているけど、本業が忙しくて手が付けられないといった状態が続いてしまったりすると、精神的にけっこうヤラレてしまったりします。
以前、Googleに警告を受けていたものの、本業が忙しくて対処できていなかった時期があったとご紹介しましたが、あの当時は自分のサイトを見ると動悸がしたりしていて、かなりヤバイ感じになったりしてました。
なにごとも過ぎたるは及ばざるが如しということと思いますので、個人でやるのであれば、気負わずにやることをオススメします。
ドメインやDNSの知識が得られた
以前に本業の方で、法人をM&Aするといったことの対応をしたことがありましたが、法人間のドメイン譲渡といったことをする際に、自分自身でドメイン移管やサーバ移転といったことを何度もやった経験があったこともあり、比較的スムーズに対応をすることができたということがありました。
会社には公式サイトやメールアドレスといったものが必ずある時代ですので、譲渡資産の中にこういった類のものが多くあるため、意外とこのあたりの知識が役に立った気がします。
独自ドメインを取得したから~というよりは、レンタルサーバやVPSサーバを借りて何度もサイトを移転したからといった方が影響しているかもしれませんが、ドメインやDNSを触る経験なんてなかなかないと思いますので、スキルアップというメリットも捨てがたいとは思います。
悪かったこと・デメリット
独自ドメイン取得で生じたデメリットや問題点についてご紹介したいと思います。
ドメイン取得費用・維持費用
ドメイン取得、ドメイン維持をするにはお金が必要です。私が取得した「.jp」では年間に3,900円程度の維持費用がかかりますが、20年間だと78,000円もかかったことになります。けっこういい金額です。
もちろん、ドメインに紐付くサーバーがないと意味がありませんので、レンタルサーバなりを別途契約することも必要です。標準レベルの月額2,000円程度のレンタルサーバを借りるとすれば、年間24,000円。20年だと480,000円にもなります。実際、私の場合はもう少し高額プランを契約してきたので、恐らく3桁万円が水の泡?になっていそうです。
もちろん、アフィリエイト収入でサーバー代程度賄ってくれればいいですが、Youtubeやtiktokなんかで言われてるほどアフィリエイトは簡単に成果が出てくれないので、もし、アフィリエイト広告をアテにして独自ドメインサイトをやっていくつもりであれば、無料のブログサービスなんかで、アフィリエイトがどれだけ稼げるのかを試してみるといいかもしれません。
メールアドレスの個人的利用との混乱
独自ドメインとレンタルサーバを同時に契約した場合、独自ドメインメールアドレスをたくさん作ることができたりします。私が使っているさくらサーバであれば、サーバのDISK容量内であれば無制限にアドレスの作成ができたりします。
このため、サイト用のメールアドレス以外にも、個人のあれ用、それ用といった感じで、振り分けするかのごとくにアドレスをポンポン作ってしまったりして、メールの管理とスパムメールの多さで相当苦労することになってしまいました。
そんな状態になると、メーラーもMSのOutlookなんかでは当然対応ができず、ドメイン取得後すぐにBecky! Internet Mailを使い始めましたが、Becky自体のバージョンUPもさすがに厳しくなってきたため、最近では迷惑メールフィルタが結構強いThunderbirdにまた鞍替えしたりしていました。
もちろん、アドレスの棚卸も数年ごとにやっていますが、この20年間に山ほどアドレスを作ってあちこちで使ってきた影響は大きく、今も日に数百通は何かしらのメールが届いてしまったりしています。この対応に要する時間的負担も考えると、相当なデメリットかもしれません。
これから独自ドメイン・レンタルサーバを契約しようとお考えの方は、メールアドレス運用はかなり慎重にされた方がいいとは思います。
なりすまし攻撃
ECサイト・銀行・クレカのなりすましフィッシングメールであれば皆さんも一度は見たことがあると思いますが、独自ドメインでサイトをやっていると極まれに自分のドメインでもこういったメール攻撃をくらうことがあります。
かなり久しぶりに先日下記のようなメールを受けました。単なる個人のサイトですが、どうやら何かしらサービスを提供するホスティング業者とでも思ってくれたのかもしれません。
dtn.jpをご利用いただきありがとうございます。
先日届いたフィッシングメールのサンプル
Dtnのメールサーバー(dtn.jpに収容)
10月14日早朝から運用が不安定になっています。
―――――――――――――――――――――――――
発生日時:2021年10月14日(木)00:00頃
復旧日時:2021年10月14日(日)08:10頃
失敗の詳細:メールサービス(@dtn.jp)の動作が不安定でした。
メールの送受信ができないことに加えて、メールの到着が遅れる場合があります。
―――――――――――――――――――――――――
ウェブメールサービスを回復するには、以下のリンクをクリックしてください。
★ここにフィッシング用のURL★
余談ですが、某団体の申込書にメアドを書いて提出するといったことをやった数日後にこのメールが届いていました。タイミングがピッタリだったので、それが原因かなぁとは思ってました。我が国を代表する団体でしたが、情報管理の甘さがよくわかった気がしてガックリでした。
サブドメインの安易な利用
レンタルサーバーによっては主ドメインのサブドメイン(〇〇〇.dtn.jpといったドメイン)を使ってサイトを作ることができます。私もドメイン費用をケチってサブドメインで複数サイトをやってきましたが、ドメインやサイトを売却といったことができるのであれば、せっかくなので独自ドメインでやっておけばよかったかな?と思うことがあります。
これもメールアドレスの話と同じで使い方の問題とは思いますが、サブドメインの利用前には先の運用も少し考えてみることをおすすめします。
独自ドメイン取得のすすめ
独自ドメインで個人サイトを20年間運営してきた中であった諸々を簡単にまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
私自身は、思い付きで独自ドメインを取得して今日まで手放すこともできずに長々維持してきましたが、メリット・デメリットを見比べてみても、やはりメリットの方が多かったのではないかと思っています。
独自ドメインで個人サイトを20年もやるとは思ってませんでしたが、引き続き、「ディレクトリ型検索エンジンdtn」を中心にして、やれるところまで続けてみたいと思ってます。
是非皆さんもドメインを取得して、数十年物のドメインを育ててみてはいかがでしょうか?
個人のドメイン取得におすすめのサービス
最後に、個人でドメイン取得をするのにおすすめのサービスをご紹介しておきたいと思います。自分一人で管理することを考えると、オススメはレンタルサーバとセットでのドメイン取得になるので、実際に使ったサービスをまとめておきました。おススメは今使っているさくらサーバとは思いますが、自分に合うものを選択してください。
ドメイン取得サービス
サービス | 概要 |
---|---|
さくらインターネット | 当サイトでもお世話になってます。ドメイン含めた契約情報管理画面もレンタルサーバ管理画面も使いやすく、サポートのドキュメントが豊富に用意されているところもかなりおすすめです。サポート問い合わせの対応品質は一番いいかもしれません。 |
お名前.com | 一度は名前を聞いたことがある、GMOが提供するドメイン取得サービスです。同時にレンタルサーバも契約ができ、初心者でも簡単に独自ドメインレンタルサーバを用意できます。私が以前に使っていたラピッドサイトもGMOグループでしたが、2000年はじめ頃のサポート品質はとても高かったと思います。その後は・・・でしたが。 |
ムームードメイン | 今は落ち着いた雰囲気のサイトになってしまってましたが、10年くらい前に管理画面を使った時には、あまりにポップな画面にビックリした記憶があります。とはいえ、初心者にも分かりやすく使いやすくて、あれはあれでアリだったんだと思ってました。 |
Xserverドメイン | とにかく安くドメイン取得して、そこそこのレンタルサーバを契約するならこちら。 |
カゴヤのレンタルサーバー | 管理画面も少々固い印象ですが、カチッとした雰囲気がお好きの方には良いかもしれないです。 |