Yahooが提供するショッピングAPIでは、APIのデータとバリューコマースのアフィリエイトプログラムを組み合わせることができるようになっています。Yahooの商品検索APIにリクエストを投げたとき、返ってくるレスポンスデータの商品URLをアフィリエイトコードにして返してくれるといった便利な機能です。
「ディレクトリ型検索エンジンdtn」の検索画面でも、このYahoo!ショッピングAPIのアフィリエイトタグ生成機能を利用しており、Yahoo商品検索APIを使ったキーワード連動広告の商品リンクには、バリューコマースのアフィリエイトコードがセットしてありました。
とはいえ、これまで成果が上がったことがほとんどなかったため、単に見栄えをよくする飾り程度のものとしか思っていませんでしたが、何年ぶりかで、このアフィリエイトタグ経由でのアフィリエイト成果が発生しておりましたので、YahooショッピングAPIを使ったアフィリエイトに関して、改めてまとめ記事を書いてみようと思いました。
この記事ではYahooショッピングAPIとバリューコマースを使ったAPIプログラムアフィリエイトのやり方説明や、そこからの成果がどの程度発生しているのか、プログラムを使ったアフィリエイトに関するコツなどについてもご紹介をしたいと思います。
ディレクトリ型検索エンジンdtnの検索連動広告などは、方向性を誤ってしまうとアフィリエイトは全く成果がでないという良い事例になってしまっていますので、アフィリエイトのコツを掴みたいとお考えの方も、ぜひ参考にしてみて下さい。
プログラムアフィリエイトとは
プログラムアフィリエイトがどのようなものかというと、ECサイトなどが提供する商品検索APIなどを使う際、レスポンスデータの商品URLをアフィリエイトURLに変更することで、アフィリエイトができてしまうという、WEBプログラマー御用達のアフィリエイト手法のことです。
今回ご紹介しているYahooショッピングAPIアフィリエイト以外にも、楽天APIアフィリエイト、Amazon Product Advertising APIといったAPIを使ってやるのが一般的ですが、ECサイトのAPIだけではなく、アフィリエイトASPでも提供しているところもあり、このあとご紹介するバリューコマースでも商品検索APIアフィリエイトをすることができるようになっています。
APIを使ってアフィリエイトサイトを作って半自動で稼ぎたい!といったことは、WEBプログラミングをする方なら誰でも一度は想像したことがある話と思います。
最近だとテック・ブックランクなどが、WEBプログラミングによるアフィリエイトの成功事例として有名どころと思いますが、ポンと作って3週間で10万円を稼ぐといったことは極めてまれな話で、プログラムを使った自動生成サイトを作っても、成果なんてほとんど上がらないというのが実情です。
「ディレクトリ型検索エンジンdtn」でも、YahooショッピングAPIアフィリエイトを使って検索連動広告のようなものを実装していますが、検索されたキーワードに関連した商品リンクを表示させているとはいえ、アフィリエイトの成果があがることはほとんどありません。
成果が発生しない原因とは
成果が上がらない原因が何かというと、アフィリエイト広告と訪問者の属性が全く合っていないからだといえます。「ターゲティング」が完全にズレているということですね。
アフィリエイトで多少の成果を上げている方であれば、「ディレクトリ型検索エンジンdtn」の検索連動広告で成果がほとんど上がらなかい理由が容易に想像つくのではないでしょうか。
ディレクトリ型検索エンジンの訪問者とは
ディレクトリ型検索エンジンの訪問者をイメージした場合、「ディレクトリにサイトを登録した人」、「これからサイトを登録をしたい人」のパターンが圧倒的に多いと思います。そこから考えてみると、自分でウェブサイトを運営されている方、もしくは、WEB担当者の方といったパターンがほとんどと思います。
そのような方々がサイトで検索をするということは、登録済みのサイトを調べてみるためか、登録したいカテゴリを探すためといったパターンがほとんどと思いますので、その方々に向けて検索連動広告を置いたとしても、広告なんて踏んでくれるわけがないということは容易に想像つくと思います。
しかもアフィリエイトの仕組も十分理解されたIT・WEBリテラシーの激しく高い方々ばかりと思いますので、ポンと検索して表示されたアフィリエイト広告付きの商品リンクを見て、「お!これいいね、すぐ買おう!」となる人なんて1,000人に1人もいないと思います。
大手検索エンジンの検索連動広告であれば話は別
GoogleやYahooのような、「〇〇〇を調べたい」「〇〇〇が欲しい」といった目的をもって訪問・検索する方々に向けてであれば、訪問者の目的に合った情報(広告)が表示されていることとなるため、検索連動広告を置くと逆に十分成果が上がるといえます。
もちろん、当サイトにも検索を目的として訪問する方が少なからずいるかもしれないですが、訪問者全体に占める割合で考えれば数%いるかいないかでしょう。訪問者自体の母数も大して多くないので、dtn.jpのアクセス数で検索連動広告を置いたとしても、全く意味がないということはご理解されたのではないでしょうか?
YahooショッピングAPIアフィリエイトで成果発生
このように、成果が全く望めないアフィリエイトのリンクから突然成果があがってきたので、正直かなり驚きまして、わざわざこんな記事まで書いてしまっていました。
成果自体はまだ未承認のため承認拒否で終了パターンかもしれませんが、かなり嬉しく感じました。(最終的に承認もされてました。ありがとうございます。)
アフィリエイトはターゲティングと設計が重要
このブログをみて分かる通り、私も色々なAPIを使ってきましたが、YahooショッピングAPIの作りは初心者にも非常に優しい作りとなっているので、WEBプログラマーやプログラミングができる方だけでなく、初心者の方であっても、これから説明するYahooショッピングAPIアフィリエイトのやり方をみれば、APIプログラムアフィリエイトを実現ができると思います。
ただし、これまで説明してきたように、APIとプログラムを使ってアフィリエイトでコードを出力すればバンバン成果が上がるということはほとんどなく、逆に、プログラムを使ったアフィリエイトタグの大量自動生成はGoogleをはじめとした検索エンジン評価も恐ろしく低くなるため、せっかく作り上げたサイトを即死させてしまう可能性もあります。プログラムアフィリエイトに夢を抱く方には現実を突きつけるようですが、なるべくなら手を出さない方がいいかもしれません。
特に、今のアフィリエイトの主戦場はブログ記事やSNSやアプリに移行しているので、アフィリエイトで成功を夢見て何かを始めるのであれば、そのようなコンテンツ作りに時間をかけることをお勧めします。
YahooショッピングAPIアフィリエイトのやり方
それでも、私と同じようにYahooのショッピングAPIを使って、APIアフィリエイトをやってみたいとお考えの方には、以下の7つの作業をこなすことで、ヤフーショッピングAPIアフィリエイトを実現できます。
- Yahoo JAPANのIDを取得する
- デベロッパーネットワークでアプリケーションを登録する
- バリューコマースに登録する
- バリューコマースでYahoo!ショッピング(ヤフーショッピング)、PayPayモールと提携する
- Yahoo!ショッピング(ヤフーショッピング)、PayPayモールのテキスト広告を作成する
- テキスト広告からバリューコマースIDを生成する
- APIのクエリに2と5を仕込む
Yahoo! JAPANのIDを取得
YahooのAPI利用にあたっては、Yahooアカウントが必須になります。既にお持ちであればそれを利用するでも構いませんが、これがないとアプリケーション登録ができませんので、お持ちでなければこちらから登録をしてください。
paypayモール、ヤフーショッピング、ヤフオクとかもよくやるのであれば、プレミアム会員に登録してしまうのも良いかもしれません。
メリットを感じなければ無料のアカウントでも問題ありません。
デベロッパーネットワークにアプリケーションを登録
YahooのAPI利用にはデベロッパーネットワークにアプリケーションを登録して、アプリケーションIDというものを発行してもらう必要があります。この登録をするにあたりYahooアカウントが必須となりますので、先ほど取得したアカウント情報で登録をして下さい。
登録はYahooデベロッパーネットワークの新しいアプリケーション開発からできます。
dtn.jpの検索連動広告のようなものを作るのであれば、「サーバーサイドのアプリケーション」を「個人」で登録する、といった感じで登録をしていきます。アプリケーション名は特に表に出るものではありませんので、分かりやすい名前を付けておけば問題ありません。
アプリケーションが登録できると、専用の「アプリケーションID」と「シークレット」というものが確認できるので、後々必要となる「アプリケーションID」をメモしておいて下さい。
バリューコマースのアカウントを取得
YahooショッピングAPIにアフィリエイトを仕込むためには、バリューコマースのアフィリエイトIDが必要となります。バリューコマースがYahoo、ソフトバンクグループ企業という関係性があるので、他のアフィリエイトではAPIに組み込むこともできません。
登録は無料で、報酬を得るための個人情報と広告を掲載するサイトの情報を入力する程度で終わります。
たまにサイトを新規で登録するだけで数百円あげるといった太っ腹企画もやっていますので、登録後に管理画面をよく確認してみてください。
バリューコマースでYahoo!ショッピングと提携
バリューコマースに登録をした後は、Yahoo Japanとの「提携」という作業が必要になります。バリューコマースにはYahoo Japan以外にも大手企業が多数参加をしているため、広告を貼りたい企業・サイトがあった際には、提携を都度していく必要があります。
広告を提供する企業によっては、担当者がサイト情報を審査しているところも多いので、大手企業の広告をなんでもかんでも即掲載可能といった仕組みではないのでご注意ください。
管理画面の「広告」→「詳細検索」のキーワード検索で「yahoo」と検索して下さい。検索結果に表示される「Yahoo!ショッピング(ヤフーショッピング)、PayPayモール」と提携ができれば大丈夫です。
「広告素材を選ぶ」に進み、テキスト広告の作成をしてください。
万が一、管理画面で検索してもYahooショッピングが出てこない場合や、提携申請をしても拒否されてしまった場合には、登録したサイトの内容を充実させたり、他の広告を貼って少し成果を出すなどの対応が必要かもしれません。
テキスト広告を作成する
「Yahoo!ショッピング(ヤフーショッピング)、PayPayモール」と提携ができていれば、その広告を作成できるようになります。
広告タイプから「テキスト」と検索をすると、「自由テキスト」広告をはじめとして様々なテキスト広告が表示されると思います。
YahooショッピングAPIアフィリエイトで必要となるものは、「自由テキスト」広告となるため、「自由テキスト」広告を一つ作成します。
広告を作成すると、このようなアフィリエイトコードが取得できると思います。このアフィリエイトコードからバリューコマースIDを生成していきます。ちなみに、このコードをサイトやブログに貼り付けて、そのリンク経由で買い物がされた場合には成果発生となります。初めての方は是非お試し下さい。
<a href="//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=0000000&pid=000000000" rel="nofollow">
<img src="//ad.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/gifbanner?sid=0000000&pid=000000000" height="1" width="1" border="0">
自由テキスト
</a>
バリューコマースIDを生成する
先ほどの自由テキスト広告のコードから、Aタグのhref属性値を抜き出します。
//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=0000000&pid=000000000
抜きだしたhref属性値に「&vc_url=」をお尻に付け足します。
//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=0000000&pid=000000000&vc_url=
「&vc_url=」をお尻に足した長いURLがバリューコマースIDとなります。ただ、このままでは利用ができず、APIに投げる際にはエンコードをする必要があります。事前にエンコードできるサイトで変換してしまっても良いですし、都度プログラム側でエンコードするでも構いません。私は都度urlencode()させています。
$valueaffid = "//ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=0000000&pid=000000000&vc_url=";
urlencode($valueaffid);
エンコードしたバリューコマースIDはこんな感じになります。
%2F%2Fck.jp.ap.valuecommerce.com%2Fservlet%2Freferral%3Fsid%3D0000000%26pid%3D000000000%26vc_url%3D
APIにアプリケーションIDとバリューコマースIDをセット
以上で、YahooAPIアフィリエイトに必要となる、アプリケーションのClient IDとバリューコマースIDが準備できたと思います。あとはこれをAPIに投げるリクエストに仕込んであげればOKです。
PHPでの実装方法については、下記の記事などで詳しく説明をしてありますので、良ければご参照ください。
APIプログラムアフィリエイトで成功するためには
YahooのショッピングAPIを使って、APIプログラムアフィリエイトの方法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
何度も繰り返しとなりますが、APIとプログラムを使ってアフィリエイトでコードを出力すればバンバン成果が上がることはありませんので、まずはAPIプログラムアフィリエイトの使いどころとサイトコンテンツを十分練ってからプログラミングにチャレンジしてみて下さい。
ちなみに、APIプログラムアフィリエイトで成功する方法については、最初にご紹介をしたテック・ブック・ランクを制作した方が、答えをハッキリ説明してくれておりました。
「結論から言う。技術力と企画力にはまったく相関がない。」
仰る通りで、APIを使ってどんなに頑張ってプログラムを書いたとしても、dtn.jpの検索連動広告のように訪問者とのターゲティングがずれてしまっていると、広告としての価値が全くないこととなり、成果がでることはまずありません。
これはほんの1例だが、私も含めてエンジニアが立てる企画のほどんどはシステム設計指向でコンテンツに対する考えがスカスカのが多い。コンテンツはシステム設計よりも優先して考えるべきことなのだ。
どんなデータベースか、どんなフレームワークか、なんて知る訳が無い。サイトにアクセスした際に目の前にあるのはコンテンツだけ。だからコンテンツこそが重要。
空回りのプログラミング作業を徹夜でひたすらやってしまう前に、コンテンツ設計をしっかりやって、制作した後でしっかり成果を得られるよう、事前設計を十分やるようにしましょう。
おわりに
Yahoo API経由のアフィリエイトで成果がでたこともあり、ブログにもアフィリエイトの記事カテゴリを新たに作って、情報まとめ記事を書いてみました。
私の場合、アフィリエイトはdtn.jpドメインを取得した2002年~の数年間がピークでほぼ終わりました。当時はまだアフィリエイトをやっている方が誰もおらず、リンク集にあったリンクURLをアフィリエイトタグに変えただけで、驚くほどの成果があがったような時代でしたので、単に早い者勝ちのブルー・オーシャンを少し経験できただけでした。
今の時代にアフィリエイトをはじめて成果を出すのは甘くないと思いますが、インターネット広告費自体は年々増え続けている状況ですので、是非皆さんもそんなブルー・オーシャンを探しだしてみて下さい。もちろん私もまた探し当てたいとは思ってますが。。