国内最大のディレクトリだったYahooカテゴリも閉鎖となるなど、ディレクトリ型検索エンジンを取り巻く状況は寂しくなる一方です。
私もYomi-Searchが全盛だったあの時代からディレクトリ型検索エンジンを運営してきましたが、ますます登録式リンク関連サイトが閉鎖しつつある今の状況をご紹介したいと思います。
ディレクトリ型検索の終焉
2011年にgoogleのディレクトリが終わってましたといった記事を書いていました。
久しぶりにdtnディレクトリのメンテをした流れで類似サイトの状況も確認しておりましたが、かつて有名どころと言われていた中小検索エンジンや登録式リンク集も続々とサービスを終了してしまっていることが分かりました。
今回はそんなディレクトリ型検索エンジンの歴史や現状について、2002年からディレクトリ型検索エンジンを続けているdtn.jp管理人が説明いたします。
Yahoo Japanはリンク集だった
20年近く昔、管理人がプロバイダ契約のオマケに付いていたホームページスペースを使って覚えたてのHTMLとCSSで猫サイトを作って喜んでいた時代、Yahoo Japanからリンク集に登録していいですか?なんてメールが届いたことがありました。
メールを探したものの既に残っていませんでしたが、同じように招待メールを受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今の若い方々にYahooが単なる登録型リンク集だった説明しても全く想像がつかないのと同じように、当時はYahoo Japanがここまで大きなサイト・企業になるとは全く想像もできませんでした。
WEBディレクトリの価値が増す
そんな時代から数年たった頃、ホームページの数が爆発的に増え始めていこともあり、YahooカテゴリをはじめとしたWEBディレクトリでサイト(当時はまだホームページという呼び方でしたが)を検索するといったことが次第に普通になっていきました。
ディレクトリで検索してサイトを探すということが一般的になってきたこともあり、サイトを作ったらまずはYahooに登録するといったことを皆がやるようになりました。その結果、サイトの登録申請数が一気に増加をするようになってきました。
当時のYahoo Japanではサーファーが実際に申請サイトを目で見て登録していたこともあり、膨大なサイトの登録申請に対処をするために登録審査基準も次第に厳しくなり、サーファーが審査に訪問するまでにも凄い時間がかかるようになり始めました。
このため、どうしても早くカテゴリに登録をしてもらいたい企業サイト運営者のため、ディレクトリに登録をしてもらう為の審査料だけに数万円を払うなんていうサービスをYahoo Japanもスタートするようになりました。
企業サイトを立ち上げたらYahooの審査料を払うといったことも日常的になされるようになっていきました。ビジネスエクスプレスと呼ばれたこのサービスに仕事絡みで払った金額を考えると、私の中だけでも50万くらいはあるので、相当儲かってたんだろうなという気がします。
このように、インターネットの急拡大と共にディレクトリ型検索エンジンの価値が一気に高まっていたのがdtn.jpのドメインを取得した2000年はじめ頃でした。
dtnディレクトリスタートのきっかけ
審査料を数万円も払い、カテゴリのエディタさんに審査をしていただくような時代でしたので、無料枠で登録申請をする個人サイトが登録されることはほぼ不可能に近く、いくらサイトを申請してもしても全く登録されない状況に嫌気がさし、反動でYahooのパクリサイトでも作ってやろうと思い始めたのがディレクトリ型検索エンジンdtnでした。
実際、Yahooのカテゴリには「Yahoo Japanのパロディサイト」といったカテゴリがあり、ここに登録申請を試みるためといった目的もありましたが、登録されたのは全く別のカテゴリでした。
初期のdtnディレクトリ
当時はYomiさんという方がYomi-SearchというPerlプログラムを配布してくれており、これを元に魔改造をかけ、ディレクトリ型の登録式リンク集を個人で作るといったことが流行っておりまして、私もそんな感じでサイトをスタートしていました。
その後、レンタルサーバでPHPやSQLの実装が流行り始めたこともあり、勉強がてらPHPを使って作り上げたのが今のディレクトリ型検索エンジンdtnの原型になっています。PHPもまだ4.x系の時代なので、オブジェクト指向でもないスクリプト感満点の時代でしたが、パーフェクトPHPのような本を見てひたすらコードを書きまくっていた記憶があります。
当時の有名ディレクトリサイト
当時の大手ディレクトリサイト
- Yahooカテゴリ
- dmoz(googleディレクトリ)
- gooディレクトリ
- Infoseekディレクトリ
- Lycosディレクトリ
- OCNディレクトリ
- BIGLOBEディレクトリ
- exciteディレクトリ
当時の中小ディレクトリサイト
- Yomi-Search
- J.O.Y
- Su-Jine
- Bell Search
- GOODSEARCH
ディレクトリ型からロボット型へ
あれから20年近くが経ち、ホームページはいつの間にかウェブやサイトと呼ばれるようになり、人手でカテゴリ分類をしてもデータ整理に間に合うような状況ではなくなったこともあり、検索エンジンの世界はディレクトリ型検索からロボット型検索に一気に変わりました。
クローラーに邪魔者扱いされるディレクトリ型
Googleに代表されるロボット型検索エンジンの出現した時期は、プログラムによるデータ収集の情報量の多さに驚いた人も多かったと思います。
それまでは検索エンジンで検索結果の対象となるものはカテゴリに登録されているサイトのみでしたので、未登録の良サイトがバシバシヒットするGoogleには本当に驚いたものです。
ロボット型検索エンジンの台頭により、ディレクトリ型検索エンジンでもディレクトリ検索+ロボット型検索結果をハイブリッドで見せるといった形にすぐ変化をし始めていき、検索の主軸はいつの間にかロボット型検索側にシフトをするように変化していきました。
ロボット型検索が主流になってくると、リンクを大量に保有するディレクトリ型検索は逆にクローラーから邪魔者扱いをされるようになり、発リンクを多数抱えるというSEO的デメリットから規模を縮小する一途となってきました。
その結果、ディレクトリはインターネットの過去の遺物になり果ててしまい、なんなら邪魔者扱いすらされつつあるのが今の状況になってきてしまいました。
大手サイトは、そんな役に立たなく、かつ、管理に手間もかかるディレクトリをどんどん捨て去ってしまい、かつて数万円を皆さんが払って登録申請をしていたYahooカテゴリですらあっさり閉鎖されてしまいました。
Yahooカテゴリ登録サイトだったdtn.jp
この運用ブログには書いておりませんでしたが、dtn.jpはYahooカテゴリに無料枠で登録をされておりました。
Yahooカテゴリが去年はじめに閉鎖となったことは気が付いていましたが、だいぶ前から閉鎖ムードがYahoo側にも出ている気がしたので、閉鎖されたこと自体にはそこまでショックを受けませんでした。もちろん、SEO的に強力なバックリンクだったものがなくなってしまったため、その点は残念でなりませんでしたが。
それよりも、2000年のはじめ頃に躍起になって登録審査を申請し続けて、やっと無料枠でカテゴリ登録をされた時のあの瞬間を思い出し、その思い出には涙が出そうになりました。
あのリンク集が閉鎖に
そんな思い出が残るYahooカテゴリの閉鎖以上にショックを受けたものが、 J.O.Y. – Japanese Open Yellowpagesさんが閉鎖していると知った時でした。各種法制度への対応に時間が取れず、リスクが大きいために閉鎖したとのことですが、1995年から真面目にコツコツ運営されていた管理人様の性格を思うと、本当にお疲れ様ですという気持ちになりました。
これは流石に一時代が終わったという感じがして結構ショックが大きかったです。
一発太郎、dmoz、J.O.Y、Yomi-Search、Googleディレクトリ、ヤフカテ、クロスリスティングやJリスティングなんてものを覚えてる方いらっしゃいますか?
おわりに
個人で2000年初め頃から続けている登録式リンクやディレクトリ型検索エンジンとなると、もはや生き残りが少ない感じですが、dtnのカテゴリにも登録をして下さったkazukingさんなんかはまだ頑張ってサイトを開いているようですので、私もできるところまで頑張ってみたいとは思っています。
ディレクトリ登録に14,000サイトも審査待ちを作っており本当に申し訳ございませんが、日々細々とメンテナンスを頑張っておりますので、どうぞ引き続き宜しくお願い致します。