このブログは「dtn.jp運営Blog」というタイトルの通りに、dtn.jpで運営する各サイトの障害情報やサーバ移転情報などのお知らせをする程度で活用しているだけのブログでした。

このため、ブログ立ち上げからの記事数も13年間で180記事程度しかなく、その内容も障害等のお知らせを少し書いていただだけだったので、個人で細々と続ける日記ブログと同レベル以下のブログになってしまっていたといえます。

しかも、見出しタグ(H1~H6)を使って文章を構成していたわけでもなく、日記調の話し言葉で書いてあったこともあり、サイトのことを知らない人にしてみれば、何目的のブログかすら分からない状況だったとは思います。

そのような日記ブログ状態だったこのブログを、1記事1テーマに沿った文章を持つ雑記ブログに頑張ってリライトしてみましたので、その実体験を交えつつ、日記ブログと雑記ブログの違いや、雑記ブログのメリットと、リライトしたことによる効果、雑記ブログ化によりアクセスがどのように変化したかについて、解説をしてみたいと思います。

日記ブログの特徴とは

日記ブログと雑記ブログの主な違いは、日記ブログが日常の出来事や個人的な考えをただ発信することに対し、雑記ブログはより幅広いテーマについて、その解説や考察を発信するところに違いがあるといえます。

発信する記事の性質が異なるので、記事構成も色々と異なる点があることが多いです。まずは日記ブログの特徴をいくつか挙げてみます。

日記ブログは出来事や考えを書くだけ

このブログでいえば、「2007年9月のアクセスはこんな感じでした」「今日dtn.jpのサーバが死んでました」「サイト登録プログラムにリファラチェック機能を追加しました」といった記事は、日記ブログといえる内容と思います。「今日は〇〇にランチに行ったよ」という記事と同レベルという感じです。

日記ブログは見出しタグの活用がされていない

ブログ記事の構成に必須となる、見出しタグ(H1~H6)機能がWordPressにありますが、日記ブログで見出しタグ(H1~H6)を適切に使用することは少ないと思います。

もちろん、はじめに~本文~終わりに、といった構成で日記を書いている人もいるとは思いますが、このブログの過去記事を振り返ってみても、「今日dtn.jpのサーバが死んでました」といったお知らせ文章を書いていただけなので、見出し機能を使ったことすらありませんでした。恥ずかしながら、H1タグすら使ったことがありませんでした。

日記ブログは低品質の記事が多い

このブログの過去記事をみても、「今日dtn.jpのサーバが死んでました」といったお知らせ文章があるだけだったため、ブログ記事としての品質はどうしても低いものになっていました。Googleのサーチコンソールで見ると、「クロール済み-インデックス未登録」と判断される記事がほとんどになっていました。

もちろん、日記ブログといっても、内容がとても濃い記事であったり、SNSで共有やリンク紹介が多数されているような人気記事であれば、低品質と判断されることもないでしょうが、当ブログの2012年以前の記事などは、ほぼ「クロール済み-インデックス未登録」の低品質記事にカテゴライズがされてしまっていました。

雑記ブログとは

雑記ブログとは、ブログ全体には様々なテーマの記事が存在しているものの、1つの記事が1つのテーマに沿った文章として構成されているブログのことをいいます。

雑記ブログにした方がいい場合とは

日記ブログと雑記ブログ、いずれも自分の考えや経験を他人に発信する点では同じものですが、ブログ自体にアクセスや収益を求めるのであれば、雑記ブログの方が圧倒的にメリットがあるといえます。それもあって、このブログも雑記ブログスタイルに変更しようと思いつきました。

日記ブログと雑記ブログの違いをまとめた表です。

特徴日記ブログ雑記ブログ
記事内容日常の出来事や考えさまざまなテーマ
ターゲット考えや経験を共有したい人、感覚的につながりたい人テーマに関する情報を求める人、ブログから学びたい人
記事スタイルより個人的なスタイル専門的なスタイル
目的他の人とのつながりを築いたり、自分の考えを整理したりするため読者に情報を提供したり、読者を楽しませたり、ブログで収益を上げたりする

1記事1テーマ構成にすることで低品質と評価されにくい

ここ最近、当ブログもこの1記事1テーマに沿った文章構成になるよう記事を書くようしていますが、このスタイルに変えて以降、サーチコンソールで「クロール済み-インデックス未登録」の低品質記事にカテゴライズされることが減ってきました。

キーワード検索で上位表示しやすい

テーマに設定をしたキーワードに対して、検索エンジン経由のアクセスがかなり増えるようになってきました。

見出しタグ(H1~H6)を適切に使用しつつブログ記事を構成することで、人がぱっと読んで意味が伝わる文章になってきたようですが、それだけではなく、検索エンジンにとっても、検索意図にそった文章がある記事だと判断するようになったらしく、記事を検索上位に表示することにつながっていたようでした。

記事が検索上位表示をした例

先日、ディレクトリ型検索エンジンdtnの検索プログラムに、キーワードに関連するツイートデータをTwitter APIを使って表示させた方法を紹介する記事を書きました。

記事では、cowitterライブラリを使ってTwitter APIからデータ取得をする方法を詳細に説明していましたが、Twitter APIに興味を持つ方々からの検索流入がかなり発生したこともあり、人気記事になっていたりしました。

リライトした180記事のうち、半分程度がそのような形でアクセス増に貢献することとなり、その結果、ブログ全体のアクセス数や広告収入も増加することができました。

日記ブログを雑記ブログに変える方法

ここからは、実際に日記ブログを1記事1テーマを持つ雑記ブログに変えるにあたり、必要となった作業や、リライトに役立ったプラグインなどのご紹介をしたいと思います。

記事の文章構成が必要

だらだらと書かれている日記ブログをテーマに沿った雑記ブログに作り変えるためには、各記事の文章構成を1から作り直すことが必要となります。これがけっこう大変な作業になると思います。

ブログの導入文・リード文の見直し

記事の冒頭に書く文章を「ブログの導入文」「ブログのリード文」といい、読者の興味を引き、ブログ記事の目的を明確に伝えることが重要とされています。

ですが、当ブログの日記ブログ時代によくあったパターンは↓のような文章がほとんどとなっていました。

最近ドタバタしていて更新ができていませんでした。

検索プログラムを更に修正しました。

当ブログで昔よくあった導入文

肝心の導入文がこのような文章ばかりだったため、記事をかなり読み込まないと、TITLEに設定した言いたいことに該当する文章が現れず、TITLEを見て訪問して下さった方も読み込まないで帰ることが多かったと思います。

このため、日記ブログを1記事1テーマを持つ雑記ブログに変えるためには、なんとしても、この部分をリライトして修正することが必要になります。

見出しタグ(H1~H6)を適切に活用する

各記事にはH1タグを1つだけ使用し、子見出しにはH2~H6タグを適切に使用する。見出しタグの使い方を間違わないように注意しつつ、文章の階層構造を意識して日記調となっていた文章の再構成も必要です。

とはいえ、元々が日記調の文章のため、再構成をするのにも限界があるとは思います。どうしても難しい場合には、noindex を設定するのに役立つプラグインがたくさんあるので、プラグインを使用して個別のページにnoindexタグを追加することも必要です。

雑記ブログ化に役立つプラグインを追加

日記調でだらだら書いた文章を読みやすくするために、雑記ブログ記事作成に役立つ2つのプラグイン(Table of Contents PlusとAdvanced Editor Tools)を新たに追加することとしました。それぞれご紹介したいと思います。

Table of Contents Plus

導入文・リード文の見直しでも説明しましたが、記事内にどんなことが書かれているかをぱっと見でも分かりやすくするため、記事に目次を設置してみることにしました。

WordPressプラグインのTable of Contents Plus
目次を自動生成するプラグイン Table of Contents Plus

H1~H6の見出しに設定された文字列を、自動的に目次として生成してくれるプラグイン「Table of Contents Plus」を追加しました。見出しを入れて記事を書くだけで、リンク付きの目次が勝手に記事トップに設置できるようになりました。

このTable of Contents Plusが便利だったところは、最初にH1~H6の見出しだけ作って下書き保存をすれば目次だけパパっとプレビューができるので、記事の文章構成に全く慣れていない私でも簡単に記事の流れを作ることができたところです。骨組みができれば、後は13年前の文章をコピペして、多少の手直しと肉付けをすればそれっぽい文章にすることができましたので、かなり作業を効率化することができました。

Advanced Editor Tools (previously TinyMCE Advanced)

Gutenbergエディタで文章に下線(アンダーライン)を入れたり、打消し線を入れたり背景色を付けてハイライトをするといったことを、もの凄く簡単にできるようにするプラグイン「Advanced Editor Tools」を追加しました。

WordPressプラグインのAdvanced Editor Tools
エディター機能を拡張するプラグイン Advanced Editor Tools

ハイライトを引くという機能が非常に便利で、太字で協調するよりもハイライトを引いた方が目立つため、コンテンツの読みやすさの向上にも役立ちます。

過去記事のリライトを始める

プラグインの準備もできた後は、日記調となっていた過去記事に見出しタグ(H1~H6)追加しつつブログ記事のリライト作業をやりました。

180記事程度しかありませんでしたが、ブログ開設をした2007年8月からリライトを一切やったことがありませんでしたので、かなり重い作業になってしまいました。

雑記ブログに感情表現は合わない

日記帳に記事を書いていた頃は、感情表現として顔文字をかなり多用していましたが、十数年経って読み返すと、これがかなり痛い感じになってしまいましたので、顔文字は全部取り去ることにしました。

(^_^;)
(^△^;)
ヽ(^▽^;)ノ
m(T-T )m

10年前頃に気に入って使ってた顔文字たち。懐かしいです。

別に顔文字を使っていても悪くはないと思いますが、サイトのことを知らない新規の読者に対し、記事内容の信頼性を下げてしまうのは良くありませんので、感情表現は控える方が無難です。

それと、Googleのページ品質の評価ガイドラインでは、Expertise(専門性)Authoritativeness(権威性)Trustworthiness(信頼性)といったE-A-Tを最近は重要指標としているようですので、文章に冷や汗(^△^;)ばっかり書いた記事に権威性があるとは思わないでしょう。

リライトにより新たな流入が発生

一カ月近くかけて、全記事を一通りリライトしましたが、リライト後に現れた変化をいくつかご紹介したいと思います。

検索流入が数年なかった記事にも流入が生まれた

例えば、2008年頃にはPageRankが6や9になる謎現象を記事にしておりましたが、この記事に対する検索からの流入が何年ぶりかで発生しました。

当時、かなり珍しい現象だったとは思いますが、ブログの文章構成が最悪だったり、そもそもキーワードが文章内に入っていなかったこともあり、記事に対する検索流入は全く発生しておりませんでした。

ところが、リライト後には「PageRank9」とかのキーワードで記事が突然ヒットするなどして、目に見えて変化を感じることができました。

ちなみに、まだ海外ではPageRankを調べている人がいるのでしょうか?驚きですね。

リライト以降のブログアクセス推移

先ほどのPageRankに関する記事以外にも、これまでアクセスが全く発生していなかった2010年以前の記事にも少しずつアクセスが生じ始めているようでした。おかげで、何かしらサイトに動きが出てきている印象がありました。

もちろん、セッション数で目に見えて変化が出るといったことはまだありませんが、アイキャッチ画像をしっかり入れたことも影響したのか、ブログ全体で直帰率が下がり、滞在時間が増え始めるといった良い傾向も生まれていました。

おわりに

ブログ開設から13年間の出来事を思い返しつつ一カ月近くかけて全記事リライトをしました。

子供時代の日記を読み返すようで、かなり恥ずかしくなるところもありましたが、これまで全くアクセスがなかった記事にも検索流入が発生し始めたりと良い結果が出ているようなので、頑張ってやってよかったとは感じています。

全体を雑記ブログにしたことで、アドセンスやアフィリエイトの成果も出やすくなったという別の良い現象もありますので、日記ブログからの脱却をお考えの方は、是非参考にしてみて下さい。